想うこと3 経済とは何か(9)産業構造の変革の考え方
現在の経済危機が産業構造の変革を求めている、ということを話しましたが、ではどのような変革が求められ、それをどのように達成したらよいのかを考えてみます。
このような問題を考えるとき、真っ先に「資金はどうするか」ということを論じる人もいると思います。
前節(8)貨幣なき社会への空想 で話したように、「実際の生産や生活を成り立たせているのは貨幣ではなく、人々の労働であり、それによって齎される物資やサービスの流れ」であるということによくよく注意する必要があると思います。貨幣というのはそのような「労働の配分と、物資とサービスの流れを潤滑にするための手段」である、ということです。
従って、まず貨幣、あるいはそれを流通させるための金融)というものを全く考慮せずに「いかなる労働の配分と、物資やサービスの流れ」が社会全体にとって好ましいのか、を塾考することが重要です。
しかる後それを実現するために貨幣、金融のあり方そして政策を考えるのが順序である、と思います。
産業構造の変革は「幸多く、持続可能な社会の実現」という方向に向かってなされることが求められています。
その社会がどのような社会であるか、は個人によりイメージが異なるでしょうが、先に話したキーワード「省エネルギー、省資源、街路の景観美化、予防医学、芸術、水の浄化、健康、無害な食品、自然保護、メンタルヘルス、教育、リサイクル、クオリティ・オブ・ライフ、防災、平和維持、脱化石燃料、自然河川工法、ビオトープ、安らぎ、癒し、アメニティ、自然エネルギー」等
については多くの人が共感を持てると思います。
であるとすれば、次はそれらをどのような順序で、どのような方法で実現するか、を塾考したいと思います。
by masaaki.nagakura | 2009-01-12 12:11 | 想うこと
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