若いあなたに語る自然科学4 水の話(1)はじめに
ギリシャの哲学者ターレスは「万物は水からなる」といいました。
これはターレスが命に満ちた美しい地中海を観、そこに河が注ぐのを観、河には魚うあ鳥が生まれ、河の近くに作物が育つのを観て思いついたことかもしれません。
それほど水は私達の生命にかかわりが深いものです。
日本でも水は水神として祭られてきた歴史があります。
これからあなたと一緒にこの水の不思議に想いを馳せてみたいと思います。
先ず次の詩から入ります。


題名:あなたの中に小川のせせらぎがある

もし、あなたが詩人の心をもって自然科学を学ぶならば、あなたの中に小川のせせらぎを聞くでしょう。

小川があるので大河が出来ます。
大河があるので、海はいつでも水に満ちています。
海が水に満ちているので雲が出来ます。
雲ができるので雨が降ります。
雨が大地を潤して野菜や果物や麦や米が育ちます。
そうしてあなたはこの水と大地からの贈り物を食べるのです。

ですから、あなたの中に小川のせせらぎがあります。
あなたの中に豊かな大河の流れがあります。
海の怒涛と潮騒があります。
大空を漂う雲があります。
しとしとと大地を潤す雨があります。

あなたの存在はこの天地を巡る水の存在と極めて近いものです。


これは私がベトナム生まれの僧侶ティク・ナット・ハンの「紙の中に雲を観る」をもじったものです。
by masaaki.nagakura | 2008-05-01 08:59 | 若いあなたに語る自然科学
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