比企の活性点(6)東秩父農産物販売所
私の住んでいる小川町の隣に東秩父村という村があります。ここは現在埼玉県唯一の村です。一時は小川町との合併の話がありましたが立ち消えました。大変牧歌的な風情の漂う村です。この村に東秩父農産物販売所という販売所があります。 東京の方から来る人もいて人気があるようです。この東秩父村は地方公共団体としては秩父郡に属するのですが、実際の地理では比企郡に密着しているのでこの「比企の活性点」に加えさせてもらいます。
昨日2月2日伴侶と飼い犬のグリゼルダと一緒に山を越えて東秩父農産物販売所まで散歩しました。ここに行くには勿論山を越えなくても車で10分程度で行けるのですが、あえて歩いて行ってみました。というか、もともと山を越えて東秩父に行くというのが目的で、ついでに東秩父農産物直売所まで行ってみたというところです。
これからその散歩の経路とそして東秩父農産物直売所のことを思い出しつつ辿ってみます。
話はやや長くなりますが、御用とお急ぎでない方はおつきあいください。

私の住んている家は小川町飯田というところで官ノ倉山という山(海抜334.7m)の東側の麓にあります。東秩父は官ノ倉山の南に位置します。そこで官ノ倉山の中腹を横切ると東秩父の安戸というところに着きます。
昔は飯田から安戸に行くにはこの山道を利用したと聞いています。確かにその方が距離的には大分近いようです。
山道に入るまではしばらくなだらかな道が続きます。
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途中で野口さんが樹を伐採しているのに出会いました。ソマという木で昔は薪にしかならなかったのが、今はいろいろなキノコが売られていてその中のヒラタケがこの木で育つということでした。
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野口さんは飯田の住人ですが、この人が山道の倒木なども片づけてくれるので飯田の山道は歩けます。
道の途中に伴侶がイノシシが堀ったという穴がありました。実際この辺はイノシシを始め野生動物が多く、昨年は我が家の周りでアライグマを6匹捕獲したほどです。
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やがて山道に入ります。
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途中に池があります。これは飯田川の上流が砂防ダムでせき止められて出来た池で釣り人が来ることもあります。
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飯田と安戸の境目に相当する峠に「山の神様」と呼んでいる神様が祭ってあります。これは山の落ち葉や木々が農業用肥料やエネルギー源として重要だった頃に飯田と安戸の人々がお互いに他の領域を侵さないように神に見守ってもらうために建てたのでないか、かってに想像しています。
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安戸側に下ると「ゴルフ場建設跡地」に突き当たります。
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これはかって「和紙の里カントリークラブ」というゴルフ場が建設されかかって、中断されたところです。
この官ノ倉山にはかって「プリムローズカントリークラブ」と「和紙の里カントリークラブ」という二つのゴルフ場が相次いで建設されていました。いずれもバブルの崩壊とともに中止に追い込まれました。
この「兵どもが夢の迹」を過ぎて、相当荒れた道を下っていくと妙な鉄管製の鳥居がありました。その鳥居の先には何も人工物がないようなのでこれは誰かが「山をご神体として祭る」ために作ったのでないか、とこれも勝手に想像しました。
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結構荒れた道(安戸には野口さんのような人がいない?)を下り東秩父の安戸に至ります。
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ここまでゆっくり歩いて約45分、ここから15分ほどで東秩父農産物販売所に着きます。
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ここが販売所の中心で、地元の新鮮な野菜など売られています。
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私はゆず粉とその入れ物を買いました。ゆず粉180円、竹の入れ物100円でした。
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ここは団子屋さんとうどん屋さんです。
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焼き団子をいただきました。

極めつけはイワナです。東秩父で養殖されたイワナを焼いて売っています。
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その周りをしばらく逡巡したあと、香ばしいにおいの誘惑に勝てず、イワナを買うことにしました。1匹500円とやや高価ですが、このにおいの誘惑には抗えません。
イワナ焼きのご主人と小1時間も話をしながらイワナを焼いてもらいました。
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このご主人は鳩山にある日立の研究所に勤めていた理系の研究者である一方雪舟(と伝えられている)絵も保持しているとい古画の収集家でもあるとのことです。
イワナ焼きにも工夫を凝らしていて、頭から食べられるということ、実際に丸ごと食べて美味しかったです。
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この東秩父農産物販売所には一度訪ねて見られることをお勧めします。
by masaaki.nagakura | 2013-02-03 14:02 | 比企の活性点
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