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想うこと4 経済とは何か(20)経済の不安定性とは何
しばらくベトナム紀行で中断しましたが、また経済の話を続けます。
経済が真に立ち上がるには、「幸多く、持続可能な社会に向けての共通の飢餓感とビジョンが多くの人々の間に沸き起こってくることが必要である」と話しました。
ただし「現状の経済の不安定な状況はそのような長期的なビジョンを人々に抱かせる心の余裕を与えていない」こと、それ故「現状の経済の不安定な状況を脱することが求められる」とも話しました。
ここからは、経済の不安定性と言うものがどのような要因によって起こるものであるかを考えたいと思います。
先ず「経済の不安定性」と「言われるものが何であるかを考えて見ます。
経済の状況を示す指標は数多くあるようです。
例えば内閣が毎月発表している景気動向指数といわれるものがあります。
29の経済的指標をもとに作成されるものということです。
次の図は2007年4月から2009年1月までの景気動向指数の変化です。
(図が見にくければ図をクリックして見てください)
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景気動向指数にはCI(コンポジットインデックス)とDI(ディフュージョンインデックス)の2者があり、それぞれ先行指数(景気の波に先立って現れる指数)、一致指数(景気の波に同期)、遅行指数(景気の波に遅れて現れる)があります。上の図はCIと呼ばれるものです。

先行系列
1最終需要財在庫率指数
2. 鉱工業生産財在庫率指数
3 新規求人数(除学卒)
4 実質機械受注(船舶・電力を除く民需)
5 新設住宅着工床面積
6 耐久消費財出荷指数
7 消費者態度指数
8 日経商品指数(42種総合)
9 長短金利差
10 東証株価指数
11 投資環境指数(製造業)
12 中小企業売上げ見通しD.I.
一致系列
1. .生産指数(鉱工業)
2. 鉱工業生産財出荷指数 
3. 大口電力使用量
4. 稼働率指数(製造業)
5. 所定外労働時間指数(製造業)
6. 投資財出荷指数(除輸送機械)
7. 商業販売額(小売業)
8. 商業販売額(卸売業)
9. 営業利益(全産業)
10. 中小企業売上高(製造業)
11. 有効求人倍率(除学卒)
遅行系列
1. .第3次産業活動指数(対事業所サービス業)
2. 常用雇用指数(製造業)
3. 実質法人企業設備投資(全産業)
4. 家計消費支出(全国勤労者世帯、名目)
5. 法人税収入
6. 完全失業率

経済の不安定性を数値的に定義しようと思えば、このような景気動向指数のような経済指標が甚だしく上下することと言えるかも知れません。
しかし、もう少し考えてみると、上下しながら、バランスを保ち続けるならば、それはそれで安定の一種とも言えるでしょう。
社会にとって本当に問題な不安定性とは、今回の世界同時不況で起こっているような先の見えない落ち込みです。
景気動向指数を尺度とすれば、それが長期的に低迷を続ける状態と言えるでしょうか。
by masaaki.nagakura | 2009-03-26 12:59 | 想うこと
私の旅8 ベトナム紀行(7)まとめに替えてベトナムの詩
ベトナム紀行を終えるにあたり、ベトナム人の僧侶の作である詩を掲げます。
私は和紙の芸術家リチャード・フレイビンがこの詩を和紙に書いたのを見て感銘を受けたものです。
私のブログの「若い貴方に語る自然科学」シリーズの冒頭でも引用しましたが、再度ここに引用します。

題名:一枚の紙に雲を見る

もし、あなたが詩人であるならば、この一枚の紙の中に雲が浮かんでいることを、はっきり見るでしょう。
雲なしには、水がありません。
水なしには、樹が育ちません。
そして、樹々なしには紙ができません。
ですから、この紙の中に雲があります。
この1ページの存在は、雲の存在に依存しています。
紙と雲は、きわめて近いものです。
・・・・・・、。
『ビーイング・ピース』
ティク・ナット・ハン
ベトナム生まれ。(1926年ー)僧侶
フランス在住


(この詩の文章は伊豆の温泉旅館「落合楼」を経営する村上昇男さんのブログから引用させていただきました。)

ベトナムには活気と共に危うさも潜んでいると思いました。
でも、この詩の心をベトナム人が感じている限り、ベトナムの未来は明るく開けるでしょう。
そして、世界中の人がこの詩の心を感じている限り、地球の未来も明るく開けると思います。
by masaaki.nagakura | 2009-03-23 13:02 | 私の旅
私の旅8 ベトナム紀行(6)活力、こだわらない性格そして危うさ
ベトナムに対する深い印象はこの国の「旺盛な活力」と人々の「こだわりのなさ」です。
旺盛な活力の源泉としては次が挙げられるのでないかと思います。
(1)食料生産力の豊かさと温暖な気候
自給率140%という食料の豊かさと温暖な気候がこの国の人々に生活への安心感を生みそれが精神的なゆとりにもなっている。
(2)民族が自力で独立を勝ち得てきたことへの自信
ベトナム戦争で米国を追い出したのは有名ですが、それ以前にフランス、中国、蒙古などの大国の侵略を排除してきた歴史を持ち、それが国民全体の自信になっている。
(3)平均年齢の若さ
ベトナムの平均年齢は26歳程度(日本は44歳位)で実に若いのです。

こだわりのなさ、と言うのは端的には飾り気のなさ、とも言えるでしょう。
女性も日本の女性のように化粧をし、着飾る人は殆どありません。
日本人には「内づら、そとづら」といったように、外面を飾るような心理が働くことが習慣的になっている人が多いような気がします。ベトナム人にはそのような感覚が極めてうすく、裏表がなく、別の言い方をすると常に感情を丸出しにしているような印象です。 日本人の中にはそれをぶしつけな態度とみて厭う人も居るかもしれませんが、私にはむしろ好感が持てました。

利用できるものは何でも利用し、リサイクル出来るものは何でもリサイクルするというエコロジカルな発想があり、それがこの「旺盛な活力」や「こだわりのなさ」と結びついて新たなエコロジカルな生活スタイルを生み出していくことも期待できます。

一方でこの国の危うさも感じました。
市外がバイクで満ち溢れ、既に満杯な状態であることは話しました。
これを見て感じたのはこれはベトナムの経済の象徴であるかも知れないと言うことです。
このバイクがどこかで事故を起こすと、たちまち渋滞が起こります。
このようにどこかで経済が停滞するとそれが全体に広がる可能性があります。
街中の電線と電話線は、まるでジャングルの中のツルのように絡み合い、これでよく問題が起きないか不思議です。 しかし、このようなやり方を続けていけば必ず問題が起こると思います。
この国の危うさを表現するのに「累卵の危うさ」という言葉も当てはまるかも知れません。

しかし、私の感じたこの危うさというのは、世界経済の危うさを象徴しているようにも思いました。
ベトナムはその世界経済の危うさを目に見える形で見せてくれているのかも知れません。
そしてベトナム自身は持ち前のしたたかさでこの状況を乗り越えていく、将来はそんな姿も見せてくれるかも知れません。
by masaaki.nagakura | 2009-03-17 08:56 | 私の旅
私の旅8 ベトナム紀行(5)時間の流れ方
私はアジアでは以前インド、ネパール、タイ、韓国、中国に旅行したことがあります。
どこでも旅行しているときに感じるのはその国や地域に密着している「時間の流れ方」です。
どの国、あるいはどの地域にもそこに独特の時間の流れ方があるように思います。
ベトナムでもそれを感じました。
ベトナムの年での時間の流れ方は非常に忙しい、あるいはあわただしい感じです。日本以上にあわただしい感じです。しかし不思議なのはそのあわただしい中にしっかりと悠久の時間が流れている、と言う感じです。日本にいるときに感じるような「追い立てられているようなあわただしさ」とは明らかに違うのです。その感覚はゆとりの感覚と言ってもよいかも知れません。
街には仕事がないのか、ぶらぶらしている人も多く見かけますが、別に困った様子もなく平然としています。
何故そうなのでしょうか。
一つの理由はベトナムの食料の豊かさにあるのでないかと思いました。
ネットの情報ですが、日本の食料自給率は40%に対してベトナムは140%です。
量もさることながら、市場を見れば穀類や果物の種類も豊富のようです。
それに暖かい国ですから、貧乏であろうと食べて、生きて行くのは何とかなる、という安心感があります。
それがゆとりの感覚を与えているのかも知れません。
日本には「時間との勝負」という言い方があります。それは「ある一定の時間内に何かをこなさなければいけない」と言うような場合に使われると思います。この場合時間と言うのは闘うべき相手のような感覚で捉えられます。 ベトナムではこのように時間と闘う、と言う感覚jはないように思います。むしろ「時間と戯れる」という感覚ではないかと思います。水牛と戯れるあの絵のように彼らは時間と戯れて生きているのでないか、と思うのです。
by masaaki.nagakura | 2009-03-14 10:08 | 私の旅
私の旅8 ベトナム紀行(4)バイクの流れに思う
ハイフォンもハノイも街中は朝から晩まで小型のバイクが実に多数路上を走っている、と言うより流れています。 大体は一人で運転していますが、夫婦か恋人同士か友人同士や親子と思われる二人乗りも多く、中には3人乗りもあります。
自動車や自転車も走っていますが、数の上では圧倒的にバイクが多いのです。
ぶんぶんと走り回る様はあたかも蜂の巣をつついたようです。
この様子はホーチミンなどベトナムの他の都市でも同様と言うことです。
日本人がベトナムに行くと誰でもこのバイクの流れに驚き、圧倒されると思います。
信号のある交差点は少なく、道を渡るには、このバイクの流れを交わしながら渡る必要があるので、若干の勇気が必要です。
そのうちに判ったのですが、渡り方のコツはひとつは「ほぼ一定の速度で歩いてなるべく止まらないこと」とそして「バイクの流れる方向に沿って斜めに横断すること」です。
そのように渡ればどのバイクもこちらの動きを読んで避けて通ってくれます。

バイク同士の間隔は最短では5cm以下にもなるほど接近しながら、動いているのですがお互いにぶつからないのはお互いの動きを読みあいながら、速度や方向を微調整しつつ運転しているためでしょう。
もしバイクを運転しているものの誰か一人でも運転を誤れば、たちまち事故になると思いますが、ほとんどの運転手が実に器用に運転しているのだと思います。
(もっともベトナム全体ではかなり多くの事故は起こっているようです)

現在のハノイやハイフォンの市内の道路の輸送容量は既に満杯に近いと思います。
どこかで交通渋滞が発生するとたちまち身動きが取れない状況になると思います。実際自動車に乗せてもらっていて交差点で身動きが取れなくなったこともあります。どうなるかと思っていたのですが、10分ほどで解消したのは不思議でした。何とかなってしまうものだと妙に感心しました。

それにしてもこれだけの数のバイクがもし自動車に替わったとしたら、交通渋滞が頻発するに違いないとも思います。このバイクの比率でこのぎりぎりの交通状況が保たれているのだと思います。今後もし、自動車が増えていくとどうなるか心配になりました。でもその場合でもベトナム流に何とかしてしまうかも知れません。

ベトナム人にとってバイクとは何なのだろうと考えて、もしかしてそれは「ベトナム農民にとっての牛」と同じような物(生命)なのかも知れない、と思いました。全稿に掲げた牛の絵の中の人と牛の親密な関係のようにバイクと親密にしているのでないか、と思うのです。それでなければあんなに上手く運転できる訳はないと思います。

ハノイの町中にはバイクと自転車の部品ばかりが売られている店が何十件と並んだ一角があります。
バイクを持つ人の多くがこの部品市場で買った部品で自分のバイクを修理したり、気に入るように改造したりして使っているのでないかと思います。あたかも牛の面倒をみるか、のようにです。
by masaaki.nagakura | 2009-03-10 08:57 | 私の旅
私の旅8 ベトナム紀行(3)牛の絵
ハノイの町には美術館がないようですが、ギャラリーと看板が出ていて、絵を展示、販売しているところが何箇所かありました。
その一軒で求めたのは次の牛の絵です。
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牛と人がひとつに溶け合うような感覚、自由奔放な姿が面白いと思いました。
ベトナムの田んぼにはこの様な牛を見かけました。多分水牛だと思います。
牛と人がこのように密着して生きているのがベトナムの農村の感覚のように思います。
by masaaki.nagakura | 2009-03-08 18:22 | 私の旅
私の旅8 ベトナム紀行(2)ハノイの街
ハノイではホーチミンの霊廟(ホーチミンの遺体が安置され、公開されている)、ホーチミン公園(ホーチミンの住んでいた家がある)、ホーチミン博物館(ホーチミンの書、写真、映像など展示)を訪ねたあと、街をぶらつきました。
花屋さんに並んでいるのは盾の形の花飾りです。これはホーチミンの霊廟の入口にも飾られていました。
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花は本当にいろいろで美しいです。
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これは蒙古の軍勢を追い返した英雄(チャン・クォック・トアン?)の銅像のようです。
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ヴェトナムは古くから侵略者と闘ってきて、やがては勝利を収めてきたという、敬服すべき歴史をもっていて、また多くのベトナム人がそれを誇りにしているようです。
特に、フランスと米国を追い返したホーチミンとこの銅像のような英雄はベトナム人の誇りの象徴として、敬愛されているようです。
ハノイには秋葉原のように、否秋葉原以上に多種多様な電気製品、IC、機械部品、道具類を販売している広大な一角があり、各店がところ狭しと店一杯に中古品、新品取り混ぜて売っています。
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この辺に来れば、殆どの部品は手に入りそうです。
ただし、このような店の間の狭い路地にもバイクがひっきりなしに通り、絶えず注意が必要で、正直疲れます。
by masaaki.nagakura | 2009-03-03 13:01 | 私の旅
私の旅8 ベトナム紀行(1)ハイフォンの街
2月の末の一週間、ビジネスにてベトナムに滞在していました。
訪れたのはベトナムでも北に位置するハイフォンとハノイです。
ハノイ空港からハイフォンに行く道筋は延々と水田が続き、この国の食を支えていることが実感できました。
因みに米は北では年に2回、南では年に3回収穫できるということです。
ハイフォンの街には大きな商店街があり、食料品、衣料品等があふれるばかりに並べられています。
果物は特に種類が豊富です。
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今は日本では珍しい練炭も売っていました。
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この国の人たちは練炭を良く使うようで、街の飲食店でも練炭を見かけました。
ビルを建てているところに出会いました。
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ベトナムで見かけた民家や商店は殆どレンガ造りです。
このような大きなビルも骨組みはコンクリートで壁や外装はレンガで造るようです。
by masaaki.nagakura | 2009-03-03 08:56 | 私の旅