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想うこと3 経済とは何か(3)求められる産業構造
景気の回復には「持続可能な社会の実現に向けた意識の変革」が必要というような話をしました。ただ単純に持続可能というだけではなく、それが人類にとって幸多いものでなければ、魅力はなくそこに向かおうとする意欲も起きないでしょう。
そこで景気の回復には人々の「幸多く、持続可能な社会の実現に向かおうとする意識の変革」が必要であると言い直すことにします。
「幸多く、持続可能な社会」を実現するためのキーワードは「省エネルギー、省資源、街路の景観美化、予防医学、芸術、水の浄化、健康、無害な食品、自然保護、メンタルヘルス、教育、リサイクル、クオリティ・オブ・ライフ、防災、平和維持、脱化石燃料、自然河川工法、ビオトープ、安らぎ、癒し、アメニティ、自然エネルギー」等であると思います。
このようなキーワードは既に多くの人に魅力的なものになってきていると思います。
今回の不況は現在までの産業の方向性に現実的な反省の機会を与えています。
その結果人々の意識の中により明確に「幸多く、持続可能な社会」への願いが意識され、その願いこそが社会全体を動かし、産業構造の変革に向かう原動力となるでしょう。
by masaaki.nagakura | 2008-12-29 19:33 | 想うこと
想うこと3 経済とは何か(2)景気の行方
最近の急速な景気の減速の根本原因が資源枯渇や地球温暖化への不安とその不安からの脱出願望にあると考えているという話をしました。
しかし、現状の景気の減速は石油消費に直接関連している自動車業界にとどまらず、機器設備産業、半導体等をはじめとする基幹産業の全てに波及しつつあります。
その波及の範囲は留まるところが見えないという有様です。
これは一体どういうことなのでしょうか。
景気減速のこの様な全体への急速な波及の原因は先ず現代の産業構造が、種々の産業分野が非常に非常に複雑に絡み合っているところにあると言えるでしょう。
例えば自動車の生産量が減少すれば、それに連動してその部品を構成する材料、加工品、半導体等の生産量も減少せざるを得ず、加工に必要な機械の生産も停止させられます。
個々の業界や企業は独立した存在と見做されますが、実際は非常に深く絡み合っています。
更に近年におけるグローバリズムの進展により、世界全体がひとつの経済圏になりつつあります。従って一国のひとつの企業或いは業界の変動が世界全体の経済に何らかの影響を与えていることになります。
未来の方向を予測するためには企業、業界、国家等を独立した存在としてとらえるより、全体としてひつつの生命体であるように捉える見方が有効と思います。
現在の経済、産業構造が資源の枯渇と地球温暖化を招くというのは、その中の特定の業種が招いているということではなく、それが全体としてそのような構造にあるということです。
その全体という中には私達の生活そのものも含まれています。
現在起こっている景気の減速が資源枯渇と地球温暖化への不安とそこからの脱出願望から生じているとすれば、それは現状の経済構造と私達の生活のあり方そのものの変革をもとめているものであって、自動車産業という一業種だけのの変革を求めているものではないのです。
従って、この景気減速の波は全産業にそして私達の消費生活にも波及するはずです。
現実に本日(12月27日)の東京新聞の記事は高島屋の売上が予想を大きく下回ると報道しています。
ではこの景気の減速はいつまで続くのでしょうか。
私は現在の産業構造およびライフスタイルの方向性が変わるまでと見ています。
実際の産業構造およびライフスタイルのあり方が、変化するには非常に時間がかかります。
しかし、方向性というのは相当急激に変化する場合があります。
たとえば近代の日本では明治維新と第二次世界大戦の敗北が大きな方向性の転換の機縁でありました。 明治維新や第二次大戦の敗北と同時に実際の産業構造や生活スタイルが変化したわけではありません。しかしその後は日本の産業構造と生活スタイルは大きな変貌を遂げていきます。
方向性の変化というのは意識の変革です。
今回の景気の減速は、資源の枯渇と地球温暖化をさせない方向、あるいはより一般的な言い方をすると持続可能な社会の実現に向けての人類の決意が固まってきたとき、あるいはその決意が固まってきたという兆候が現れたときに止まると考えます。
私は既にその兆候(持続可能な社会実現へ向けての人類の決意の兆候)が現れつつある、と見ています。
たとえば生活スタイルに関して一つの例をあげます。かってはガソリンを大量に消費する大きくて立派な車に乗ることはステータスシンボルであったと思いますが、今の人たちの多くはそれを格好いいこととは思っていないようです。
ホンダはこの不況の中にあっても省エネルギー車であるハイブリッドカーの開発は加速すると、言うことですが、それはこのような時代の流れを読んでいるからでしょう。
日本では自民党離れが進んでいますが、これは自民党が今までの産業構造および生活スタイルを築いてきた先導役のように見られているからでしょう。
米国では共和党のブッシュさんの人気が急落する一方で次期大統領のオバマさんへの期待が高まっていますが、これも同様のことです。
オバマさんは脱石油や地球温暖化防止にも力を入れるようで、米国民だけでなく、世界中の人の期待が高まってきているのでないかと思います。
(残念ながら日本では麻生さんの人気が落ち込む一方で、小沢さんの人気はそんなに高まってきていません。
これは小沢さんが、オバマさんほど明確な理念を示していないことに原因があるように思います。)
私の感覚ですが、1年後位から景気が回復するような気がします。
これは単なる感じで根拠のあるものではありません。
by masaaki.nagakura | 2008-12-24 08:57 | 想うこと
想うこと3 経済とは何か(1)景気減速の原因
本日は2008年12月23日、我が家で取っている東京新聞の記事はトヨタ自動車の2009年3月期の赤字を大きく取り上げています。渡辺社長は「かってない緊急事態に直面している、これまでの危機とは質が違う」と。 この言葉の中にトヨタが直面している問題の深刻さがにじみ出ています。リーマンの破綻にはじまり、ビッグスリーの危機に至った景気失速の波がついに日本、否世界でもっとも強固とも考えられた企業であるトヨタにも波及したということでしょうか。
この時節にあたり、経済とは何か、景気とは何かについて自分なりに考えてみたいと思いました。人類は歴史的には1929年からの大恐慌を経験し、その反省からケインズ経済学なども生まれ、金融政策、公共事業などにより景気の波の舵取りを何とかしてきたのですが、ここにきて先の見えない、いわば嵐の中で方向舵を失ったような状況に遭遇しています。
この原因は何なのでしょうか?
私としてはこの状況は不幸な事態というより、人類に対する貴重な警告と受け取っています。
それは現在の経済の方向をそのまま進めたのでは、人類にもっと大きな不幸が訪れるであろう、という警告です。
それは現在の経済の発展というものが、石油の消費の拡大を伴っているもので、そのまま進行すると、やがて石油の枯渇による経済の致命的な衰退と同時に地球温暖化という取り返しのつかない悲劇を齎す、であろうということです。
大国の首脳達は一方では地球温暖化の防止を叫び、他方では現状の経済の発展を目指そうといいます。ここにある明白な矛盾には多くの人はすでに気が付いています。おそらく子供でも気がついています。
現在のこのような国家および経済の方向性のうちにある致命的な矛盾は多くの人の潜在意識の中で未来に対する強い不安を生んでいます。 そしてその不安は同時にその状況から脱出たいという願望も生んでいます。
私はこのような潜在意識にある現状に対する強い不安と脱出願望が現在の経済減速の根本原因であると考えます。
このような不安および脱出願望は未来に対するいわば本能的な予感から生じているもので、それゆえに非常に強力です。それゆえ諸国家のあらゆる経済政策を超えて世界経済を動かす力があると考えます
今回の景気減速はリーマンの破綻から始まっていますが、続いたのは大幅な石油価格の増大、と自動車の販売失速です。
自動車の生産量は年々増大していましたが、それは同時に石油資源の減少と地球温暖化の加速につながるものでした。
しかし、自動車産業の失速でその悲劇的な方向への進行にブレーキがかかったのです。
このことは地球全体から見れば良い方向である、と言えます。
すなわち人類の潜在意識は永い目で見てより安全な方向を選んだということです。
石油価格の高騰というのは将来に対する石油枯渇に対する人々の不安が招いたものです。
人類はこの異常な石油高騰で、石油枯渇の危険性への現実感を獲得できました。そしてその現実感から連鎖的に石油に依存する自動車への依存を忌避した行動に出たということと解釈できます。石油価格は既に下がっていますが、この石油高騰で獲得された石油枯渇の危険性への現実感は潜在意識から去ることはなく、自動車離れは加速するでしょう。
私の解釈ではリーマンの破綻というのは、このような変動のきっかけを作ったに過ぎません。その後に起こったビッグスリーの危機、そして世界中の自動車メーカーの危機の方に実質的な意味があります。
by masaaki.nagakura | 2008-12-23 10:49 | 想うこと