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私の旅 2 中国の旅 その5まとめ
中国の旅で中国について考えたことをまとめます。
1.中国は若者のリードする国になってきている。
中国は歴史が古くまたテレビなどで放映される中国の首脳などが年配であることもあってでしょうか、老大国のイメージがあったのですが、実際に観た中国は若者が先頭に立って活躍していると言う印象が非常に強いものでした。共産主義という建前をとりながら市場経済への巨大な移動が進められていますが、その動きを積極的に推進しているのが若者でないかと思います。
例えばこんなことがありました。
王府井に続く地下街の大きなレストランで秋菊さんと食事をした時に秋菊さんがウエイトレスに「食器に汚れや傷のあるのはよくない」、「餃子に最初から調味料がかかっているが、調味料は好みに応じてかけるようにした方がよい」と言うことなどをコメントしたのですが、ウェイトレスに呼ばれて出て来たのは20代と思われる店長で、神妙に話を聞き「そのような注意をしていただけるのは本当にありがたい」というお礼を言うのです。 日本ではこのような大きなレストランを若者が店長となってやっているのは見たことはありません。また彼が店の全責任を負って真摯に対応している姿も、頼もしく思えました。 他のレストランも殆どが若者で立派に運営しているところも目立ちます。
レストランだけでなく例えば私の訪問した北京山美水美という会社も社長以下全員が若者のようです。
私が見たのは中国のほんの一部ですから、中国全体が若者のリードする国になってきているというのは言い過ぎになるでしょう。しかし市場経済への移行というのは中国の歴史の中でも大変大きな意識変革を伴う変貌であり、その現実を率直に受け止めて柔軟に且つ積極的に対応しているのが若者達であると考えられます。 若者達のリードと言うのは実際は中国の都市部のほんの一部で起こっている動きであるのかも知れませんが、この動きは確実に中国全体に浸透し、中国への市場経済への移行を推進していくであろうと推定してます。
2.中国の科学技術開発力は多方面で急速に発展している。
今回訪問した3社はいずれも日本に匹敵する技術力を有し、且つ新たな技術に挑戦していく方向性と気概と持っているという印象を受けました。北京の市中には日本にも見られないデザインの建築物も見られ、市全体が北京オリンピックを機に彼らの力を海外に誇示すべく邁進している勢いを感じました。
中国の技術については日本国内ではその未熟さが強調して語られることが多く、事実私も中国の製品を輸入して痛い目にあったこともあります。
しかし、中国の市場経済への移行が本格化したのは10年ほど前に過ぎず、未熟さは当然のことです。観るべき点は彼らの向かっている方向性とその勢い(意気込み)です。
現在までのところ彼らは主として欧米や日本の技術の模倣による発展を遂げていることも事実でしょう。これは彼らが模倣することで十分な利益が発生すると言う現状があるからです。これはかって日本がたどってきた道でもあり、自然な流れと理解できます。
しかし、今後は必ず中国の国内での製造業間の競合が厳しくなり、技術開発は不可欠となり、技術開発力も自ずと発展していくと推定されます。
3.中国の市場開放はより広範に進展する。
中国の市場経済政策の進展と共に都市と農村の格差、都市の中でも市場経済の波に乗ったものと乗り遅れたものの貧富の差が激しくなり、それが今後反政府運動の激化や犯罪の増大に繋がって行く可能性は否定できないでしょう。それにも関らず市場経済の方向は今後ますます中国全土に浸透していくと思います。そう考える第一の理由は現在の中国が特に若者達に社会の未来と個々人の未来を作る可能性を与えれれつつあると考えるからです。1989年の天安門事件は民主化を求めた若者達の叫びでしたが、時の権力により抑圧されました。しかしあの叫びはそれ以来消え去ってしまったわけではなく声なく若者達の中で叫び続けられてきたでしょう。しかし現在は共産党のピラミッド的な支配構造に並列して、自由競争原理による富や名誉の獲得その他の自己願望実現の可能性が与えられてきてます。特に高学歴の学生にとってはその可能性は高く、彼らの多くがが再び天安門事件のような運動に向かうとは考えにくくむしろ多くが現状の市場経済を推進する側に就くと考えられます。この状況は日本の明治維新以降の状況に類似しているように思います。
4.環境とエネルギーが中国の最大の課題
中国の市場経済移行は中国を世界の工場といわれるようにまで工業化の進展を推し進めてまいますが、この工業化と共に環境破壊(特に大気と水の汚染)とエネルギー枯渇の問題が同時進行していることは間違いないと思います。この環境破壊とエネルギー枯渇は近代文明のかかえてる大きな弱みで全世界の問題でありますが、中国は急激且つ大規模な変革の中で世界の中でも際立って急激に深刻化していっているように見えます。中国の一部の人々はこのことに気づいていると思います。例えば今回訪問した北京山美水美有限公司は環境美化への貢献を会社の理念に上げております。天津の電源の会社の社長は電源の高効率化を省エネルギーのための重要な課題であると話しておりました。
しかし中国の全体の流れは環境破壊やエネルギー枯渇の問題を回避する策を十分に講じないままに工業化の進展を進める方向に向かっているようにも見えます。特に中国の大気汚染は日本にも直接影響を及ぼすものですから、この中国の状況を対岸の火事と観てはならず、われわれも何か出来ることをしたいと強く感じました。
by masaaki.nagakura | 2007-05-23 13:03 | 私の旅