カテゴリ:エコデザイン㈱の紹介( 9 )
エコデザイン㈱の紹介 その9 エコデザイン株式会社の近況(2010年2月)
昨年12月に私の経営するエコデザイン株式会社が引越しをして、忙しさにまぎれてブログを中断していました。また、続けますので読んでいただけると幸いです。
先ずはこの会社の近況からです。
次は私が日本医療・オゾン環境研究会に投稿した「エコデザイン株式会社の紹介」からの抜粋ですが、会社の近況を伝えていますのでここに掲載します。

「-----そして最近(2009年12月)小川町の郊外に新たに社屋を購入し、移転しました。
2階建てで床面積が100坪強あり、2階を事務所、1階を製造、試験検査及び実験用として使い始めています。(写真と1階配置図参照)
 会社設立当初2人であった従業員も今は10名となりました。オゾン発生器の発生量も最初は1g/hr程度のものでしたが、現在は50g/hr、本年度中に100g/hrのものが完成出来そうです。 ようやく本格的にオゾンに取り組むパワーが出てきたように思います。
 今度の社屋はもともと歌手の加藤登紀子さんの伴侶であった藤本敏夫氏が無添加食品製造のための食品工場として建てたものだということです。大きな冷蔵室がいくつも付帯しているので、それらを材料倉庫、備品倉庫、梱包室として利用しています。 また一つは(図中環境試験室)その密閉性や温度調節機能を生かして、オゾン曝露試験、殺菌試験、脱臭試験に利用する予定です。
更に屋外に結構立派な浄水設備があり、これはオゾンによる廃水処理試験設備として利用出来そうです。
元食品工場ではあるのですが当社の本来の業務であるオゾン発生器やその応用製品の開発だけでなく、オゾンの試験場所としても相当役にたてそうです。オゾンの作用や効果の試験を行い、オゾン普及のための有用なデータを蓄積できれば本望です。
 余談になりますが、この社屋の裏山は標高418mの雷電山です。その山の頂上には雷電神社という社があります。雷電と言えば自然界において空気放電で大々的にオゾンを作っている、言わば放電型のオゾン発生器の親分のようなものです。この山の名前を聞き、しかも神社まであると判った時にはこれは縁起が良いと喜び、正月には社員の有志と雷電神社にお参りもしました。当社のオゾン発生器を組み立てる製造室を雷電工房と名づけたのは、この山の名前にもよります。
 これからは雷電工房の名に恥じぬように良いオゾン発生器を作り、持続可能な社会実現のために貢献したいと考えております。
 終わりに当社のある小川町は山あり、川あり、酒あり、地ビールあり、伝統和紙の工芸あり、とても面白い町です。お近くに来られた際は是非小川町に足を伸ばし、ついでに当社にもお立ち寄り下さい。歓迎いたします。」

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 以上は日本医療・環境研究会への投稿ですが、このブログを読んでくれた方はどなたでも、お気軽のご来社ください。歓迎いたします。

補遺:エコデザイン㈱の紹介は前回は5年前でした。
by masaaki.nagakura | 2010-02-23 13:00 | エコデザイン㈱の紹介
エコデザイン㈱の紹介 その8 むすび--共育のこころ
 ここまで当社の創設から現在に至るまでの経緯の概略を述べさせていただきました。
 ここで少し私の企業経営に関する考え方を話させていただきたいと思います。
 私は企業というものはどうあったらよいのか、創業する以前からも考えてきました。
 ネットワーク的な企業の連携造りというアイデアも持っていましたが、それほど具体的なイメージには到ってませんでした。
 創業してからいろいろな仕事をしていくうちにつくづく想ったのは企業というものは企業間でお互いに支えあって存続しているものだ、ということです。そしてまた企業を支えているのはその企業の中の人たちだということです。これは全く当たり前といえば当たり前のことですが、このことを本当に実感して来たのは最近のことです。 また仕事をやっていく妙味というのもそのお互いに支えあっている企業同士の、否人間同士の触れあいの中にあるという感覚にも目覚めつつあります。
 このようなことを考えていくなかで最近想い至ったのが「共育のこころを持とう」という考えです。 「共育」は「教育」からもじった言葉ですが、「共に育てる」という意味であって、「教育」という言葉が持つような「一方的に誰かが誰かを教えて育てる」という意味はありません。

 ここで私の想っている「共育」という考え方について更に若干説明いたします。
 「共育」に「企業内の共育」と「企業間の共育」があります。
 先ず「企業内の共育」についてです。
 この意味は「企業内の成員が共に育てあう」ということです。
 これは相互啓発とか相互教育とか言い換えても良いかも知れません。
 「人は人に何かを教えるときに最もよく学ぶ」ようです。ですから、自ら学んだことあるいは人から教えられたことを更に人に教える(伝える)ことにより、その知識や技能を本当に自分のものとしていけるように思います。お互いにそのように教え、教わりしていけば皆が自ずと成長し、それにつれて企業も発展していけるでしょう。以上は知識や技能についてですが人間的な面についても同様です。 これが私の言う「企業内の共育」です。
 
 次に「企業間の共育」です。
 これはお客様、依頼メーカ(下請け)、同業他社と共に育てあう、ということです。
 たとえばお客様からは「何が求められているか」を教えていただき、またお客様に「その為の技術や装置などの手段」を教えます。(分からなければ学んで、教えます)
 依頼メーカに対しては「どのようなものが必要であるか」を教え、依頼メーカからは「そのための加工技術や部品」について教わります。
 同業他社との共育は微妙な問題も含みますが、技術提携やそこまで行かなくても双方の技術紹介など相互に有益です。また切磋琢磨も1種の[共育」と言えるでしょう。

 以上「共育」について企業内、企業間に分けて説明しましたが、実際のところの妙味は人と人の触れあいの中にあり、「共育のこころを持とう」というのは、社内外に関わらず人と接するときは必ず「相手から学び、且つ相手に有益な知識を伝える」という意思を持とう、ということです。
また、会話を通じてのみならず陰に陽に相互に育てあおうという想いを持っていれば、良い方向に発展していけると思うのです。
 煩悩多き凡夫ですから、脱線しがちですが、以上のような「共育」の想いを持って会社を経営し、また社員にもそのような考えを持たせていきたいと思っております。
 ここにてひとまずエコデザイン株式会社の紹介を終わり、また新たな時期を見て進展状況などを紹介させていただきます。
 
by masaaki.nagakura | 2005-06-04 10:03 | エコデザイン㈱の紹介
エコデザイン㈱の紹介 その7 研究開発用から実用へ
 石英3重管式の放電管を用いた当社のオゾン発生器はコンパクト、クリーン、低価格、高濃度などの特徴があることが特に研究者の方々に認識していただき、現在まで研究開発用の用途として100基以上(型式:ED-OG-R3Lt及びED-OG-R4等)をご購入いただいてます。
 昨年より実用目的の機種の開発を心がけ、既に3機種(型式:ED-OGM-1、ED-OG-A7及びED-OG-A10)の誕生を見ております。 これらの実用機は既に半導体の製造ライン、食品工場の殺菌、排ガスの脱臭、グリーストラップの脱臭及び殺菌、し尿処理水の脱色等への実用が開始されております。
 特に最近ですが過酷な環境でも使用に耐えるようにほぼ完全に密閉した構造で且つ発生量の大きな機種(品名:密閉式大容量オゾン発生器)も完成させ当社のホームページにアップロードし、販売を開始しました。この機種は既に1基を食品工場の井戸水の殺菌用に納品いたし、現在据付工事が進められております。
 オゾン発生器の応用製品としてオゾン水生成装置及びオゾン曝露試験装置(オゾン劣化試験装置)を手がけてきております。 オゾン曝露試験装置は3年程前(財)日本紡績繊維協会様へ納品したのが最初でしたが、改良が進み現状ではかなり満足のいく製品となってきてます。
 オゾン水生成装置は超高濃度オゾン水生成装置の人気が全く振るわなかったのを反省し、昨年秋ごろオゾン濃度はそれほどでない(MAX15ppm程度)が、構造がシンプルでコンパクト且つ低価格なエジェクター方式のオゾン水生成装置(型式ED-OW-3)を製品化しました。これは半導体の洗浄ラインで半年以上連続使用されているほか研究開発用途で既に2基を出荷し、1基を産業技術総合研究所様より受注し製作中です。
 このように実用機や応用製品も次第に当社の製品としての展開を始めております。
 しかし、実用というのは研究開発用よりも難しい面がいくつかあります。
(1)高耐久性への要求:一般に使用時間が長く、且つ使用環境が様々であるために高度の耐久性、信頼性を必要とすること。 
(2)多種多様な機能への要求:使用目的及び使用環境によりオゾン発生器に対して様々な機能が要求されるために、1、2種の標準機を用意するのみでは到底多様なニーズに応えられないこと。
(3)実用データの不足:オゾンの効果をうたうデータは多いのですが、それらは理想的な条件で実施されたものであったり、数量的な裏づけのないものであったりがほとんどで、実用の現場で信頼して使用できるものが極めて少ないこと。

 などです。これらの問題の解決がオゾン発生器の実用化を進めていく上で避けて通れない非常に重要な課題と考えてます。(つづく)
by masaaki.nagakura | 2005-06-02 22:33 | エコデザイン㈱の紹介
エコデザイン㈱の紹介 その6 オゾン発生器の改良
 最初に製品化した石英3重管型の放電管によるオゾン発生器はオゾン発生量とオゾン濃度ではそれまでのステンレス&鉛ガラス方式に比して大幅な性能アップを達成し、またクリーンなオゾン発生可能という特質を持ちえたのですが、一つ弱点がありました。それは密閉性の問題です。当初の石英3重管型の放電管というのは径の異なる3本の石英管を同心軸状に配列し、両端をテフロンの端子で固定し、密封したものでしたが、その石英管と端子の間のシールに不安がありました。10基程度製作し、実際にリークが起こったことはなかったのですが、リークが起こりえるという不安は大きく何とかしなければと考えていました。たまたま近くに石英の加工メーカのW社があり、石英管を3重構造で溶接出来ないか相談したところ可能との返事で早速試作すると、美しい仕上がりのものが出来ました。使ってみると密閉性も性能も問題なく、以後の放電管は全てこの溶接構造の石英3重管型のものとなりました。
 それ以来電源の安定性を確保するための工夫、出力の可変性の確保、出力の増大のための改良等を行い、これらの改良は現在も続いてます。(続く)
by masaaki.nagakura | 2005-05-31 09:07 | エコデザイン㈱の紹介
エコデザイン㈱の紹介 その5 石英3重管式オゾン発生器の誕生
 超高濃度オゾン水生成装置は全く売れないばかりかほとんど見向きもされない状態でしたが、この超高濃度オゾン水生成装置の開発で大きな副産物がありました。それは石英3重管型の放電管を用いたオゾン発生器です。超高濃度オゾン水生成装置用のオゾン発生器としては当初、他社の石英2重管型放電管によるオゾン発生器を用いる予定でした。当時の当社のオゾン発生器はステンレス管と鉛ガラス管を組み合わせたものでオゾン発生量も少なく、クリーンでも無かったので半導体向けの超高濃度オゾン水生成装置には全く不向きであったかからです。
 ところで石英2重管型のオゾン発生器は大変高価であり、当社がオゾン水生成部を如何に安価に作っても、オゾン発生器とオゾン水生成部を組み合わせたオゾン水生成装置は大変高価なものになります。 そこで自社で石英管を3重管構造とした放電管を製作し、性能を試したのですがオゾン発生量はステンレス管と鉛ガラス管を組み合わせた放電管に比べてかなり劣っていて、その実用化は棚上げとなっていました。
 そのときあるハプニング(?)が起こりました。当社がオゾン発生器用の電源を購入していたA社が倒産していまったのです。これはまいったと思ってた丁度その頃P社より同社が扱っている電源の紹介がありました。早速取り寄せてステンレス・鉛ガラスの放電管に使って見ましたが、大した性能は出ませんでした。その電源の採用はあきらめようかと思ったとき、一緒に実験をしていた長男が「石英の放電管に試したらどうか」、と言うのでダメモトと思ってやってみると意外や意外、これがとっても性能が良さそうなのです。詳細にオゾン発生量を調べると酸素原料で1時間あたり軽く5gは出てます。今までがせいぜい1~2g程度でしたからこれは大変大きな飛躍でした。
 更に放電管が石英であることはクリーンであり、半導体にも使えるということを意味します。
 早速この電源と石英管式放電管を組み合わせて、オゾン発生器を製作し、超高濃度オゾン水生成装置に適用したところ、100ppm以上のオゾン水の生成に成功しました。
 そのようにして出来た超高濃度オゾン水生成装置は期待に反してほとんど反響がなく、落胆させられたのですが、気を取り直してみると石英3重管式のオゾン発生器が残っていました。これを製品化したのは2002年の初夏、エコデザイン株式会社を設立してから2年余の年月が過ぎ、当初の資金もほとんど底をついていました。
 このオゾン発生器を研究開発用オゾン発生器として当社のホームページで宣伝しましたら、最初京都大学に、次に筑波大学に購入していただき、当社の行方にもようやく曙光が見えてきました。(つづく)
by masaaki.nagakura | 2005-05-26 22:11 | エコデザイン㈱の紹介
エコデザイン㈱の紹介 その4 超高濃度オゾン水生成装置
 最初に製品化したオゾン発生器は全く売れなかったのですが、その頃友人のH氏から半導体のレジスト剥離に高濃度オゾン水生成装置が求められているという話が飛び込んで着ました。濃度は50ppm~100ppmで高いほど良いというものです。
 これはチャンスとすぐに開発に取り掛かりました。
 実は高濃度オゾン水生成装置は1999年三菱重工業退職後からエコデザイン㈱発足までの半年の間にH氏と1式製作し、高エネルギー研究機構に納品した実績がありました。それは気体中のオゾンを液体窒素で捕集して固体オゾンとして水と混合するというもので150ppm程度の超高濃度オゾン水を生成できるものでした。
 しかしこの方式は操作に危険が伴うため実用にはもう少し工夫が必要と考え、充填搭方式(*)によるオゾン水生成装置を試作しました。
約3ヶ月をかけて80ppm以上のオゾン水を連続的に生成できるオゾン水生成装置を完成しました。接液部材質は全てテフロンで半導体関係での使用にも耐えるはずのものです。これは2002年の6月の日本オゾン協会の年次研究講演会でも発表しました。
 「このような装置はかなり、センセーショナルなものでマスコミでも評判になるだろう」と期待していたのですが、結果は全く意に反してほとんど何の反響も呼び起こしませんでした。
 その後この技術は当社のホームページに紹介したのですが一度もアクセスはありませんでした。(現在当社のホームページからその紹介ははずしてます)
 何度が半導体関連の会社にアクセスして思ったのですが一般に日本の半導体業界は「実用の実績のない技術は問題外」とする傾向が強いようです。特にクリーン度と耐久性に関して相当シビアなデータを要求をされます。
 その半導体業界の牙城に入り込むには企業として相当の体力が必要であり、当社のような零細ではとても持ちきれません。
(その5に続きます)
 
注(*)オゾンガスで何でも気体を水に溶かすにはバブリング法(気体を水に泡状に吹き込む。マイクロバブル法は特に微細気泡を吹き込む)、エジュエクタ-法(気体と水を狭いノズル部で混合する)、膜透過法(気体を膜を透過させて水に吸収させる)、充填搭方式等ありますが、高濃度を作るのであれば充填搭方式が最も有利である、と私の過去の経験と理屈の上で判断しました。
 充填搭方式というのは円筒形あるいは角型の容器の内部に充填材(球状、マカロニ状、馬の鞍状などの小片)を充填し、上から下に水を流し、下から上に気体を流して、水に気体を吸収させたり、水中の不純物ガスを気体中に抽出したりするために使用されるものです。
 充填搭方式が特に高濃度オゾン水の生成に有利となる理由は気体と液体が逆方向に流れるいわゆる向流式であることが最大の理由と考えられます。
by masaaki.nagakura | 2005-05-21 12:58 | エコデザイン㈱の紹介
エコデザイン㈱の紹介 その3 オゾン発生器に挑戦
 オゾン発生器の試作を開始したのは創業2年目(2001年)の夏ごろです。
 新規にプレハブの建屋をレンタルしてましたが、狭いために、そこでは専ら受注しているリチウムセラミックの試作試験を行い、オゾン発生器は創業時に自作した木造の作業小屋で試作しました。
 「いつかオゾン発生器にチャレンジしよう」と思い出したのは三菱重工業の在職中にオゾン発生器を内作した頃です。丁度その頃O-157の中毒事件がマスコミで騒がれており、「オゾンであればそのような問題に有効に対処でき、かつ環境への影響もないため、将来必ず有用な技術となる」と考えたわけです。
 オゾンは実に有用な技術ですが、その普及を妨げている第1の原因にオゾン発生器のコストが高すぎるという問題があると考え、先ずコストの安いオゾン発生器を製品化しようとチャレンジしました。
 最初試作したのは三菱重工業在職中に内作した石英2重管構造の沿面放電式オゾン発生器(*)です。 これは特に空気原料で使用した場合放電部に用いている金属線の電極が酸化して劣化するという問題が発生しました。
 次に内側をステンレス管、外側を鉛ガラス管という組み合わせの無声放電式オゾン発生器(**)を試作しました。 これはオゾン発生量は1g/hr程度のものでしたが、低コストでもあり、また特に放電の様子が外部から見えるという面白さもあるので研究開発用として市場に出せると考え、2001年の暮れ頃にはホームページも開設し、宣伝を始めました。
 しかし、お客様は一向に現れませんでした。

 注*沿面放電式オゾン発生器といってもいろいろ有ります。特にセラミック板あるいはセラミック管の表面に導電性の膜の模様をつけて高周波高電圧をかけるタイプが普及してます。これは静電気学会の初代会長の増田閃一教授が東京大学の在職中に先鞭をつけたものです。当社のはそれと異なり石英2重管の間にタングステン線もしくは白金線をスパイラル状に巻きつけて高周波高電圧を負荷するもので、高濃度のオゾンが発生出来る特徴があります。 これは長春師範大学より招いた王強先生が発案したものです。
  **無声放電式オゾン発生器は金属、ガラス、セラミック等の板または管を二つ組み合わせた構造でそれら二つの板または管の隙間に交流高電圧をかけてオゾンを発生させるものです。
by masaaki.nagakura | 2005-05-13 06:37 | エコデザイン㈱の紹介
エコデザイン株式会社の紹介 その2 模索の日々
 創業の初年度に超臨界水試験装置を完成し、2年目からはこれを更に発展させていこうという考えでした。当社が開発した装置の心臓部である超臨界水容器(特許を申請)は高耐食性材料であるチタンで内張り、ステンレスで補強、銅で外張りし温度の均一性を高めた3重管構造のもので抜群の性能が期待でき、かなりいけると思ったのです。
 しかし、現実はそんなに甘いものでなく、期待した引き合いはほとんど無く、たまたま機会があって応募した入札でも逸注しました。そのメーカは「価格ではエコデザインさんが安かったけど、より実績のあるメーカに依頼した」とのことでした。
 当面をしのぐためもあり、その頃私の過去の得意分野であるトリチウムに関する知識を生かした「トリチウム移行データベース」の作成を土岐市にある核融合科学研究所から受注しました。 これは核融合に必要ですが放射性物質であるために安全性が問題とされているトリチウムがステンレス等の材質中をどのように移行するかを解析するためのデータベースです。結果としてかなり、完成度の高いと自負できるものが出来ました。
 このようなデータベースは原子力関係では汎用性もあると考え、日本原子力研究所への売り込みも計りましたが、成功しませんでした。
 その代わりと言ってよいのか日本原子力研究所からは秋山取締役の過去の得意分野である核融合炉用リチウムセラミック(*)の開発試験の仕事を受け、さしあたりの存続を維持しました。
 このような請負試験は必ずといってよいほど困難にぶつかりますが、それをくぐり抜けていくことに楽しさもありますし、また非常に勉強にもなります。その意味でもこのような仕事を受けさせてもらったことは有難いことです。
 しかし、実際問題として中小、零細企業がこのようなリスクの高い請負試験を続けていたのではとても安定した経営には向かっていけません。
 オゾンを本格的に考え出したのはこの頃からです。

注*:核融合用リチウムセラミックは核融合ブランケットという核融合炉の外周に位置する場所に配置させる材料です。 それを配置する目的は核融合で発生する中性子の吸収と核融合炉用燃料として必要なトリチウムの増殖です。
by masaaki.nagakura | 2005-05-06 07:26 | エコデザイン㈱の紹介
エコデザイン㈱の紹介 その1 はじめの頃のお話
 エコデザイン株式会社は平成12年(2000年)4月に「循環型産業構造の構築への貢献」を理念として掲げて発足しました。この発足への経緯は自己紹介のつづき その5に若干述べましたのでそれもご参照下さい。
 発足した年は主に私と秋山取締役それから長倉正弥(私の長男)の3名にて業務を行いました。
 現在の業務はほぼオゾン関係に特化していますが、当初は「循環型」に結びつく技術開発なら何でも取り組もうという考えでした。
 最初に取り組んだのは超臨界水でした。
 超臨界水というのは、450℃、30Mpaといった高温、高圧の水ですが、その中で有機物を酸化するとほとんどの有機物は無害化されます。たとえば塩ビのようなものでも水と炭酸ガスと塩酸になり、ダイオキシンの発生はありません。しかも、その酸化の過程で発電も可能です。そのため究極の廃棄物処理法と考えられます。
 この開発のきっかけとなったのは秋山取締役と親密な交流があった日本原子力研究所の河村氏(当時大洗研究所核融合ブランケット開発室長)の依頼です。
核融合による発電設備で水を超臨界水に近い状態で利用するという計画があり、超臨界水中での材料の耐久試験をする必要があるということでした。
 当社はその試験装置を受注(元受:産業科学株式会社)し、製作に取り組みました。
超臨界水というのはそれまでほとんど知らず、暗中模索の状態から出発しましたが、実質半年近くの期間をかけ、2001年2月には何とか組立を完了しました。
 ところで装置を検収してもらうには工場立会検査と現地検査(納品後の検査)にパスする必要があります。当時、試験や組立は5坪程度の小屋(解体した農家の廃材等で作った木造小屋)で行っていました。その小屋で工場立会い検査というのはちょっとまずいのではないか、ということで苦肉の策というのか工場立会い検査は秋山取締役の経営するペンションモルダウ(伊豆の河津町に現在も営業)で行いました。
 450℃,30Mpaという高温、高圧は装置にとってかなり厳しい条件ですが、その装置への重圧は直接こちらへの重圧になって襲ってきます。何回も冷や汗をかく場面に遭遇しましたが、結果的には仕様を満足することが証明され本当にほっとしました。
by masaaki.nagakura | 2005-04-28 07:39 | エコデザイン㈱の紹介