若いあなたに語る自然科学4 水の話(9)超臨界水
水の温度と圧力をある限界以上にあげると、液体とも気体とも言えない超臨界水というものになります。その限度の温度は臨界温度と呼ばれ、374℃、圧力は臨界圧力は218気圧です。
この状態は水素結合をしている分子もあるし、水素結合をしていない分子もある状態と考えられます。次の図は超臨界水の分子レベルの構造のイメージです。
若いあなたに語る自然科学4 水の話(9)超臨界水_d0026078_8584210.jpg

このような超臨界水は圧力を変えずに温度を下げていくと液体の水になります。温度を変えずに圧力を下げていくと気体の水になります。その意味で超臨界水は「液体でもなければ気体でもない」と言うより「液体でもあり、気体でもある」と言った方がふさわしいかも知れません。
超臨界水は反応性が非常に高く、多くの有害物質を無害化し、しかもその際にエネルギーを発生するので未来のエコロジカルな技術の有用な種と言えるでしょう。
by masaaki.nagakura | 2008-07-09 08:59 | 若いあなたに語る自然科学
<< 若いあなたに語る自然科学4 水... 小川町の人と自然54 オムラサ... >>