私の旅 2 中国の旅 その6 日本の生き方
中国の旅を振り返り、日本という国の生き方について改めて考えてみました。
日本は米国と中国という2つの超大国の間に挟まれた国です。
軍事的には無論、経済的にも両国に及ばず(注:GDPにおいて近い将来に中国は確実に日本を大幅に上回る)常に両国の政治的、経済的圧力を受けつつ生きていくことを求められております。
科学技術の面から観ると日本は基礎研究と基礎技術において米国に及ばず、生産コストにおいて中国と張り合うのもきつい状況です。ソフトではインドの発展が目覚しいようです。
日本は基礎技術の米国、ハードの中国、ソフトのインドと科学技術の超大国に包囲されている状況です。
このような日本はこれからどのように生きていけばよいのでしょうか。
私は日本人の感覚の長所は「様々なものを組合せ調和させて洗練されたものつ作っていくセンス」いわば総合調和化のセンスにあると思います。科学技術の面では基礎技術、ハード、ソフトを総合して目的に合わせた技術と製品を作り出すセンスです。その基にあるのは日本人の持つ物に対する繊細な感覚です。この繊細な感覚はおそらく日本の豊かで繊細な自然とその自然に調和して営まれた農耕生活の中で育まれたものと思います。
このおそらく世界にもまれな天与の恩恵ともいうべき感覚を今後の世界のために生かすのが日本の進むべき道と考えます。具体的にはその感覚を次の人類的課題に向けて生かしていくことです。

1.循環型社会の構築
2.国際平和の実現

1.循環型社会の構築
近代の工業化社会はこれまで拡大指向の発展を続けて来たのですが、そう遠くない未来(長くても50年程度か)にエネルギー、環境、資源の枯渇、あるいはそれらと関連した食糧不足の問題から生きづまり、循環可能な方向への転向を余儀なくされるでしょう。この転向のためには革新的な省エネルギー技術、資源のリサイクル技術、環境浄化技術が要求されます。また産業構造だけでなく生活様式も現在と大幅に異なった省エネルギー、省資源で環境負荷のない形に変革することが求められます。すなわち産業と生活の両面においての循環可能な社会、いわゆる循環型社会の構築が求められていると言うことです。この循環型社会の構築に日本人の総合調和化のセンスを生かすのが良いと思います。
 中国は今後上述の問題が最も大きくなる国のひとつでありますが、工業化への勢いに弾みがつきすぎて、環境問題などを統御する余力を充分持ちえてないように思います。米国は国土が広大で、日本のような深刻な環境問題を抱えたことがないためか、国民全体で環境問題へ取り組もうという意識はまだ薄いようです。
 これに比して日本は過去において深刻な環境問題に直面し、環境への関心度は高いように思います。日本の現状は循環型から程遠い(中国の農村の方が循環型に近い)ものですが、循環型への明確な方向性を意識し、そこに向けて日本人の長所である総合調和化のセンスを生かしていくことにより将来において循環型社会の構築の先駆けとなり得ると思います。

2.国際平和の実現
 日本は外国との戦争に狂奔した時代がありましたが、歴史的に観ると平和を好み、それを楽しもうという国民性を持っているのでないかと思います。
 グローバリズムの進展により、ますます複雑化している国際情勢の中にあって、日本人の総合調和化のセンスが国際間の協調と秩序を作り出すのに役立つのでないかと思います。

以上で中国の旅の記録と感想を終えます。
by masaaki.nagakura | 2007-06-07 13:00 | 私の旅
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